甲板の上では、マースク号の乗組員たちが「ハッ!」と驚きました。
 今まで、すぐそばでこの様子をじっと見ていたクヌッセン機関長が海に飛び込んでいったのです。この凍りつくような冷たく暗い海に、乗組員を助けたい一心で、飛び込んでいったのです。誰も止める事はできませんでした。
 もちろん止めようと思っても思いとどまる機関長でもありませんでした。
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