当町は歴史のある町で、四つの国宝建造物、七つの重要文化財、国指定 史跡が一つ存在する。 特に国宝建造物のうち三つと国指定史跡が、紀州徳川家の菩提寺である 「長保寺」一カ所に集中している。 また当町は、瀬戸内海の入口に位置し、天候の良い日は遠くに徳島、淡 路島を展望することができ、風光明媚である。 シーズンには県内外からの釣り客で賑わい、平成8年3月には土砂搬出 用の桟橋を利用した「釣り公園」がオープンした。 しかし、こうした観光資源を持つ割には、PR活動が伴わず折角の観光 資源を活かし切れていない。
ここで平成7年の和歌山県における観光客の動態を見ると 構成比では、社寺参詣が最も高く(23%)、また昭和63年を基準に して伸び率で見ても、社寺参詣は最も振幅が少なく、安定して観光客 を集めていることが伺える。 ここで平成7年の社寺参詣だけを詳細に見てみると、次のような結果 であり、全国的に知名度(ネームバリュー)の高い「高野山」「紀三井寺」 のウェイトが高いのがわかる。特に紀三井寺は、西国2番札所であり、 年間約110万人強の人出がある(平成7年紀三井寺調べ)。 平成7年は、NHKの大河ドラマで、「8代将軍吉宗」が放映されたこ ともあって、当町への観光客も飛躍的に伸びた。 また長保寺は、紀三井寺と道成寺をむすぶ観光動線上のおよそ中間 に位置し、PR方法によっては紀三井寺と道成寺の参拝客に立ち寄っ てもらえるオーソドックスな名所となり得る可能性を持っている。