<位置> 下津町は、和歌山県の北西部に位置し、北緯 34°7'19"、東経 135° 9'32" にあり、海南市、金屋町、吉備町、有田市の周辺市 町村に隣接している。 西は、阪神地域への海の玄関口である紀伊水道に臨み、海上を隔て、 約50キロメートル向こうに徳島、約25キロメートル向こうに淡路島 が見える。 <面積> 面積は39.83平方キロメートルであり、和歌山県下50市町村の内 では、39番目の広さである。昭和30年2月1日の町村合併で、旧下 津町8.95平方キロメートル、大崎町7.82平方キロメートル、塩津 村0.73平方キロメートル、加茂村14.51平方キロメートル、仁義 村7.62平方キロメートルの旧5ヵ町村が合併して現在の広さになった ものである。 <風土・町民性> 南北約5キロメートルの南国の青い海に面した海岸線、東西約16キ ロメートルの三方を山で囲まれた内陸部は、当地に豊富な海や山の幸の 恵みをもたらしている。 また、このような地形から、年平均気温は約16.7℃(第4次下津町 長期総合計画、H1〜5平均)と温暖で、リアス式の変化に富んだ入り江 と、山頂まで続く「みかん畑」の景色は、近代化された都市では失われて しまった美しい日本の故郷そのものであり、この地の人々の豊かな情操 を育んでいる。 しかしながら、平和で温暖なこの地も、生業は決して安易なものでな く、冬の厳しい寒さの中で行われる漁労、夏の暑さの中で行われるビワ の採り入れ、急斜面を人力で荷を運ばねばならぬミカンの収穫など、い ずれも大変な忍耐を要する労働である。 温和さと芯の強さ、これがこの地の人々の町民性である。徐々にでは あるが、社会の構造変革が進行してきている中で、今後更に必要とされ るのが、先見性、進取性、協調性と実行力であると思われるが、保守的 色彩の強い町民性において、新しい時代への脱皮を着実なものにするこ とが期待される。