「大変だ!大変だ!外人さんの遺体が打ち上がっている。」
次の日の朝、日高町田杭港の近くの海岸は大騒ぎでした。裂け目の入ったライフジャケットを身に付けた大きな外人さんの遺体と、その近くには胴体に大きな裂け目のあるボートが並んで打ち上げられていました。
 そこへ、警察官がやってきて「実は昨日、あの嵐の中で日本の船員を助けようとして、海に飛び込んだ人がおられるんです…。」
と言って、昨日の晩のマースク号とクヌッセン機関長の出来事を話してくれました。それを聞いた人たちは
「えっ!あの嵐の中、日本の船員さんを助けるために海に飛び込んだ人なのか。信じられない…。」といってその場に立ちつくし、涙を流しました。
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