熊野本宮 人物風土記
人物風土記トップこのページですカリスマ語り部皆地笠の匠熊野の芸術家

 小鷹網漁 鮎釣り名人

      こぶち いくお 
    
小渕郁夫さん


 熊野川の支流、大塔川にある仙人風呂で有名な川湯温泉で暮らしている小渕さん。
毎日家の前を流れる大塔川のせせらぎを聞きながら過ごしている。小渕さんは、鮎漁において網を投げて獲る小鷹網(こたかあみ)漁の名人だ。
 又、熊野川漁業組合長として、漁業の発展に尽力されている方でもある。              
 
 写真はお孫さんと一緒にうなぎを取りに行った時のもの。大自然の恵みを体で体感しながら、楽しそうなお孫さんを見つめている。こんなときは小渕さんも普通のおじいちゃんの顔になる。                     
小渕さんとお孫さん

網がきれいに広がっていく 小渕さんの手から放たれた網は、
まるで生き物のように獲物を追っていく。
急な谷間を流れる大塔川、透き通った水が鮎の餌となる良質のコケを生む。
「だから大塔川の鮎は甘みがあるんだ」

いつも感謝の気持ちを忘れない。
「これも熊野の森の贈り物だからね」

 小渕さん インタビュー

 「小鷹網は小学校1年頃、父親に連れられて川に行った時から始めました。
 1人前になるまでは、5年ぐらいかかりましたね。小学校5年から中学生時代は鮎・うなぎを
 近所の民宿・旅館へ売りにいき、小遣い銭を稼いだもんですよ。本格的に始めたのは大阪より
 故郷へUターンした昭和45年からだろうと思います。」と、楽しそうに話す小渕さん。
 現在、1年間の収穫は、鮎で5千尾〜1万尾・あまごで7百尾〜8百尾ぐらいですね。
 3月〜4月はあまご、5月〜10月はうなぎ、6月〜12月は鮎と一年中魚と関わっています。」

喫茶こぶちにて  小渕さんは、この自然の恵みを奥さんの経営する【喫茶こぶち】で提供している。天然物のアユ・うなぎ・アマゴを求めて、遠方より来店するお客さんも多い。

 小渕さんの住む川湯温泉は名前のとおり、河原を掘るとお湯がでるという珍しい温泉。もちろん自分で掘ることも出来るが、人一人入る大きさを掘るのはとても大変。そこで水量の少ない冬場に、おおきな露天風呂をつくり無料で利用してもらうことにしたのが仙人風呂。これは「千人が入るくらい大きい」ということと「仙人も入るような山奥にある」ということをかけているとか・・・。

 夏場は川遊び、冬は大きな露天風呂、熊野古道を歩いたあとは、温泉に入って疲れをとって、天然の魚を食べてみてはどうでしょう?
 
   喫茶こぶち紹介       

 小鷹網(こたかあみりょう)
 
投げた網が羽を広げた鷹のような形に見えることから、その名が付けられた。
発祥は和歌山県紀ノ川で茜流の小鷹網として知られている。その網は市販の物もあるが、
上手な人は皆手作りの網を使っており、それぞれ色々と自分なりの工夫をするらしい。
小渕さんの小鷹網は長さ10m・高さ60cm(組合で長さは10m以内と決まっている。標準は
7m50cm)で最長の網を使用している。紀ノ川では網はコの字形に開くが、小渕さんの
網は○の形になりアユを逃がすことが少ないのだ。さすがは名人である。

熊野本宮TOP

Copyright (C) 2005 KUMANO-HONGU. All Rights Reserved.
〒647-1731 和歌山県田辺市本宮町本宮219お問い合わせメールはこちらから 本宮町商工会  TEL0735-42-0269  FAX0735-42-1639 
hongu@kumano-hongu.com